畑で野菜を育てたいと思っている
トマト、なす、きゅうり、じゃがいも、お好みの野菜づくりに想いを巡らせていることでしょう。
本記事ではどうやって畑で家庭菜園をはじめられるか?家庭菜園初心者のあなたに、なるべく簡潔にわかりやすく解説していきます。
では、手順と注意事項を解説していきます。
①開始時期を家族と共有
1-1 はじめる時期を決める
栽培可能時期
お住まいの地域が何月から畑で野菜を栽培できるのかを調べる
大抵の地域は3月〜5月くらいですが、同じ地域でも、土地柄により異なります。
まずは確認してみましょう。
■ 地域のJAに聞いてみる
■ 家庭菜園をやっている人に聞いてみる
■ SNSで家庭菜園をやっている人をフォローし教えてもらう
1-2 家族と共有する
畑をはじめると、いままで使っていなかった時間とお金を使うことになりますので、時間の調整とお金の準備など、家族との共有が必要になります。
- 家族の理解を得る
- 必要経理はいくらか?
- 仕事に支障がないようにする
- 自分の時間調整を把握しスケジュール立てする
① 家族の理解
■いままでと時間の使い方が変わってきますので家族の理解が必要。
- 独身の方以外は配偶者とかパートナーの理解が必要です。
- 休日は畑で過ごすことが多くなるため、買い物などの回数が必然的に減る
- 夏は収穫した野菜がいっときは大量になりますでの処理が大変。
- 汚れた衣類、道具が増えるので掃除、洗濯が多くなる
② お金はいくらかかる?
■畑をするには、最初だけお小遣いを超えるお金が必要になります。
(もちろん、家計の事情で異なりますが)
- 年間使用料金(市民農園・シェア畑の場合)
- 道具代
- 作業着代
- 肥料代
- 苗、タネ代
- ガソリン代
③ 仕事に支障がないようにする
■朝の水やりなど、一定の作業がありますので、仕事が多忙な方は時間調整が必要。
- 平日でも夏場は水やりが必要です、早朝に畑に行ける環境をつくる
- 土日はできれば午前中に農作業をする、2〜3時間確保したい
- 仕事に支障が出ないように、体調を見ながらセーブして作業する。
④ 自分の時間調整を把握しスケジュール立てする
■趣味がたくさんある方は時間調整が大変になります。
- 慣れるまでは今までの趣味、読書、楽器、習い事などの時間が畑の作業時間に侵食されるようになります。
- わからないことを調べことが多くなる、主にググることが増える
■特に、いくらお金がかかるのか、畑に行く曜日と時間帯などを家族に知ってもらうことが大切になります。
②学ぶ
■ 畑で野菜を栽培するには、ベランダ家庭菜園とは勝手が違います、ひと通りの知識は必要になります。
- 経験者から学ぶ
- YouTubeで学ぶ
- 本から学ぶ
- 記録し学ぶ
2-1 経験者から学ぶ
いま畑で家庭菜園やっている人から情報を仕入れる
・親戚に家庭菜園の経験者がいないか、声をかけてみる
・知人友人に声をかけて情報を集める
地域特有の情報がある
・お住まいのエリアにある市民農園などに出かけて、実際にやっている人たちに聞いてみる
・みなさん、それぞれの独特の栽培のやり方を持っているものです、教えてくれたことはノートに控えておくこと、後で実際に自分でやるときに参考になります。
2-2 YouTubeから学ぶ
YouTubeから学ぶ
・YouTubeには優れた地域の情報や、栽培のコツなどがたくさんアップされています。
・本では微妙なニュアンスがわからないことでも、実際に映像で確認することで理解が進みます。
■ おすすめYouTubeチャンネル5選
- ちょこっと自然農 -try natural farming-
■自然農のやり方、考え方などをご自分の畑で実践されていることを中心にいろいろな事例を解説してくれます。 - シェア畑 -農園らいふ-
■各地区の菜園アドバイザーが家庭菜園の基本、コツなどを解説してくれます - 塚原農園
■塚原農園の塚原さんが家庭菜園全般について、誠実に楽しく解説してくれます。 - 畑は小さな大自然!そーやん
■自然農を中心にそーやんさんが優しく解説してくれます。 - 科学的に楽しく自給自足【ノウカノタネTV】
■科学的裏付けを重視した園芸全般の解説、非常に勉強になります。
皆さん素晴らしいYouTuberです、ほとんどの家庭菜園の悩みはこの5つのチャンネルで解決します
ここにご紹介した、YouTuberさんは皆さん人間的にも魅力あり、面白く学ぶことができます。
2-3 テレビ・本・雑誌から学ぶ
テレビから学ぶ
■趣味の園芸 やさいの時間(NHK)
放送日時はお住まいの地区で異なります
おすすめは「亜美&太陽のベジ・ガーデン」
・藤田先生指導のもと、杉浦太陽さん、菊地亜美さんが野菜づくりをする番組
・視聴者からの悩みなども解決。
・農学生が家庭菜園でためになる実験をしてくれる
初心者でも、基礎からわかりやすく解説してくれます。
本・雑誌から学ぶ
・本は見たい情報が一覧で見ることができるので便利
・雑誌は季節に準じた最新の情報を得ることができる
■ おすすめ雑誌
【 やさい畑 】
栽培の細かい情報、基本から応用までを網羅。栽培実証記事が特徴。農家や研究者の意見から、深く掘り下げた内容で非常に勉強になります。
■おすすめ本
【はじめての野菜のつくり方】
畑の耕し方、土の作り方、支柱のたてかた、植え方、収穫、栽培カレンダー初心者にもわかりやすく、病害虫や良い苗の選び方までとっても親切、画像も見やすい
2-4 学んだことを記録する
学んだことは必ず、日時を記載し記録すると後々役立ちます。
菜園用の専用ノート
・自分の畑のレイアウト、スケジュール、生育状況などを時系列で記録しておく
・市民農園、シェア畑では教えてくれる親切な方が多い、学んだことを記録
・地域の土、気候にあった栽培方法の情報をゲットできる
iPadが便利
・iPadは無印第9世代の安価版で十分
■参考記事
・Goodnote5、notion,メモアプリなどを使って記録する
・動画、写真をこまめに撮って、分類し保存しておく
▽ 筆者がiPadで保存した2022年の野菜レイアウト原案▽
③畑を用意する
どんな畑で家庭菜園をはじめるのか?
自宅の庭、市民農園、シェア畑、いろいろ選択肢はあります。
いづれも場所が大事、ご自分の現在の生活に支障をきたさないところからはじめる方が長続きするこつ。
3-1 自宅に畑を作る
ご自宅に庭がある方はまずはそこからはじめるのをおすすめします。
土おこしをして土壌の状況を確認し堆肥や石灰をまいて、土づくりをする
簡単な夏野菜からはじめて、もっとたくさん栽培したい! 庭では手狭と感じたら別場所を選択してみる。
日常的な野菜のお世話の水やり、脇芽とりなどは目の届く範囲なので、気持ち楽で、初心者でもはじめやすい。
3-2 市民農園を借りる
ネットで検索すると地域の市民農園がわかります。
地域のJAに問い合わせしてみるのが良いです。
地域によっては借りる時の競争率が高く、抽選のところもあるようです。ほとんどは事前に見学もできますので、出かけて雰囲気を感じ取っておくのがいいです。
賃料は年間で1万円〜2万円くらいが目安(平米数、地域により違います)
3-3 シェア畑を借りる
シェア畑は比較的初心者の方でも気軽にはじめることができます。
必要な道具はほとんど揃っている、水やりの管理もしてくれる、トイレとか駐車場が完備されているところが多いので、体ひとつではじめられます。
小さなお子様がいるご家庭でも簡単にはじめることが可能です。
④道具を用意する
4-1必要な道具
最低限必要な道具から揃える
- 鍬(土を耕す、畝を作る)
- レーキ(土を整える、
- スコップ(土を掘り起こす)
- ホー(雑草を刈る)
- ジョウロ(水をやる、体力に応じたリッター容量の大きさ)
- メジャー(畝間、株間、いろいろと測ることがあります)
- ひも(麻、ビニールなど)
- ハサミ(紐を切る、野菜をきるなど)
- 軍手(最近は安くて質の良い菜園用の手袋が販売されています)
- 日焼け止め(かなり必須)
- サングラス(太陽光が強いので必須)
- 帽子(暑さと日焼けよけ)
- 夏はスポーツTシャツ、サラッとした素材のパンツなど
- 長靴
4-2どこで買うか
お近くのホームセンター、ダイソー、セリアなど100均。
最近、100均のレベルが高い、安くてそこそこ使える商品が多い、100均ならではの便利な商品も多数販売されています。
⑤野菜を育てる
5-1 お住まいの地域の気候区分を調べる
・畑をはじめるにあたって、事前準備期間が必要です、しっかりしたスケジュールを立てて取り組むためにも、お住まいの地域が何月くらいから栽培可能かを調べましょう。
・畑は栽培ができるようになる時期があります、大抵は春から始めますがお住まいの地域がどの気候区分に該当するのかで、開始月が異なります。まずは畑での栽培可能時期を押さえておきましょう。
■ サカタのタネさんのホームページがわかりやすいのでご参考まで。
- 最近の温暖化による気候変動でこれまで各地域での天候の常識が変わってきているようです。
- 長期の天気予報を参考に気温、雨、風をある程度予想して作業日程を組む必要があります。
5-2 土づくり
畑を耕す
シーズン前に土を耕す、ここが大事。
余計な残差、プラスチックごみなどは耕しながら除去する。
土の酸度を測り、石灰で調整
畑は雨の影響で酸性に傾きがちです。
たいていの野菜はpH5.5 ~ pH7.0位の弱酸性〜中性の土壌でよく育ちます。
酸度計を使って、土の酸度を測り、pH調整をします、酸性寄りであれば、アルカリ性の石灰を撒いて酸度調整をします。
▽石灰はホームセンター、100均でも購入できます▽
苦土石灰、有機石灰、粒状、粉状などいろんな種類があります。
▽おすすめの酸度計▽(筆者も使用しています)
■2000円くらいの安いメーカーの物もありますが、安物買いの〇〇失いになります。
1回購入すればずーと使えますので、きちんとしたシンワ測定の土壌酸度計をオススメします。 この酸度計の評判は非常に良いです。
堆肥・肥料を畑に入れる
堆肥を土に混ぜ、微生物の活動を活発にして、ふかふかな土を作る、簡単に手に入る堆肥は牛糞、鶏糞、バーク堆肥などホームセンターにたくさんあります。
元肥として、化成肥料、有機肥料などをあらかじめ、畑にすき込んでおきます、主な肥料の要素は窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)、それぞれ果たす役割が違ってきます。
- 窒素は茎・葉の成長に関係
- リン酸は花・実に関係
- カリウムは根の成長に関係
5-3 種・苗の準備
種、苗を購入
ゴールデンウイーク前後にホームセンター、野菜直売所などで購入する
購入にはタイミングがあり、ゴールデンウイークを過ぎてくると、苗の在庫がなくなってしまうことも多く、残っていても、いろんな人が触っているため苗の元気がなかったり、状態の良い苗はありません。
スケジュール
・年間定植スケジュールを決めて、野菜の生育に合わせて、植えていく
筆者が住んでいる札幌では野菜が育つ時期がとても短く、5月〜10月中旬くらい、
天候によっては5月末でもまだ早い時もあり、実質6月に入ってからでなければ順調
に育ってくれません。
畑のレイアウト
畑をブロック分けして、どのブロックにどんな野菜を植えるかを決めておくことが大切になります
蔓性の野菜だと背が高くなり、太陽を遮ります、太陽の光を好まない野菜や好む野菜があるので、太陽の登る方向から植える位置を決めたり、水をたくさん必要とする野菜、水を控える野菜など、植える野菜の特性をよく考えてレイアウトする必要があります。
5-3 定植
いよいよ、苗とたねを植える時がやってきます。
霜、雹、大雨、梅雨など時期を考えて植えます
あとは野菜の基本的なお世話、水やり、脇芽とり、追肥、雑草とり、やぐら組み、ネット貼りなどを楽しみながら作業することになります。
収穫祭
収穫は楽しい
収穫方法
実を収穫する野菜や葉物野菜は収穫の方法が違ってきます、上の葉っぱだけを刈り取り、何回も収穫できる葉物野菜や、きゅうりなどはちょっと目を話すと、巨大に大きくなったり、ズッキーニなんかは花も食べられます、これは家庭菜園をやっている人の特権です。
子供の食育
家庭菜園で子供が喜び、盛り上がるのは、やはり収穫です。
どんな野菜がどういうふうに育つのか、実がなるのかなど家庭菜園は子供の食育にピッタリです。
本やスマホでは学べない、畑ので味覚、触覚、臭覚の実体験が味わえます。
お子様の情操教育にもなります。
収穫した野菜の処理
特に夏野菜は、気候が暑くなってくると、きゅうり、ズッキーニ、インゲン、トマトなどは急に大きくなってたくさんの実を収穫することになります。
一般家庭では消化できない量が採れますので、ご近所や職場や友人知人に配ることになりますい。
収穫した野菜の調理法
なんたって、朝採れた新鮮な野菜をその日に食べることができるのは家庭菜園の醍醐味となっています、やはり、スーパーで買う野菜とは一味も二味も違います。
格別な満足感と新鮮な野菜がもつ香りとシャキシャキ感、しづる感は他では味わえません。
まとめ
畑の作業は体全体を使うので、筋トレ、ダイエットになりますし、いい空気と太陽光の中、植物に囲まれて、心が浄化されるので、日頃の疲れも癒されます、メンタルヘルスにも役立ちます。
開始時期を家族と共有、学ぶ、畑を用意、道具を用意、野菜を育てる。
慣れるまで手間暇かかりますが、使った時間を上回る効果が心と体に訪れますし、素晴らしい過程菜園の世界があなたを待っています。
ぜひ、畑での過程菜園に挑戦してみてください。